中級者〜上級入口ぐらいの人が世界マップでピンポイント特定する時何を考えているか【GeoGuessr攻略】

 知っての通り、GeoGuessrはGoogle Street Viewの風景から場所を当てるゲームです。

 で、GeoGuessrは「ざっくり当てる」楽しみ方と「道路数メートル単位まで当てる=5000点ねらい」という楽しみ方があります。今回取り扱うピンポイント特定は後者です。また、5000は狙わなくとも数キロ以内・4950点ぐらいは狙うとか、時間をかけてでもまあまあ細かい特定をする遊びを対象としています。

 記事にある中級者は、レートで言うと550(シルバー後半)〜750(ゴールド前半)ぐらいを指しています。Worldマップ, ADW, ACWで言うと、1ヶ所3分制限(daily challengeと同じ)で15000点はたまに〜それなりに取れるって感じでしょうか。また、Country streaks制限なしで10回ぐらいはできるっていうところでしょうか。もちろん場所によりますが。

 

 私はこの記事を書く数日前にようやく競技用のそこそこ難しい世界マップACWで5ラウンド合計24,999点※を40分ぐらいで取れて、 まあ初級から中級、中級から上級になろうとしている方向けにこの記事を書けるぐらいの腕前になったかなと思いました。

 その1ヶ月後、競技用世界マップADWで5箇所23分を出しました。上振れを引いた割にはって感じですが、ピンポイント特定を狙っていきたい方へのガイドを書けるぐらいの腕前ではないでしょうか。どうだろうな。



 

 

超初心者向けガイドより難易度は上がりますのでそこのところよろしくお願いいたします。



 構成は以下のようにしようかな

0. 前提条件 (2022/12追加)

1. 手順

2. 楽しさについて

3.練習法

 

0. 前提条件 

(2022/12に気づいたので追加)

 最近気づいたのですが、ピンポイント特定をできるようになるためには外国語、特に英語への抵抗感をなくすことが重要です。 

 なぜならば、日本以外で日本語が併記されることはほぼないからです。UAEではアラビア語と英語併記、セルビアではキリル文字と英語(ラテン文字ABC)がされますが、日本語を併記する国はまずないためです。

 英語を話せるとか、難しい文章を読めるとか、そのような必要はありません。例えば地名を抵抗なく読んで発音はめちゃくちゃでもいいから覚えられるとか、Welcome toの後には地名が来ると把握できるか、そういう程度のものです。人によって「それくらいのこと?」と思う方もいるかもしれませんし、何がなんでもアルファベットが嫌だという方もいるかもしれません。

 英語というかアルファベットに抵抗感を覚えて理解しようとすることを拒否してしまう場合は正直世界マップでのピンポイント特定は難しいと思います。なんならGeoGuessr攻略サイトの大半は英語なので、(翻訳を噛ませられるとはいえ)英語もそこにたどり着ける程度にはできた方がいいです。別に発音とか筆記とかは要求されないので、GeoGuessrを通して英語に慣れ親しんでいきましょう。よろしくお願いします。

 

 


1.ピンポイント特定の手順

 基本的な手順は

(1-1) 国を特定する

(1-2) 州・県を特定する

(1-3) 市町村・区画・集落を特定する

(1-4) 道路を特定する

という手順になると思います。もちろん首都近郊だと一瞬でわかった時など、1-1と1-2をすっ飛ばしていきなり1-3になれるケースもありますが、基本的にはこの4段階です。

 それぞれの手順には別のコツがありますので書いてみます。ここから覚えると効果高そうという三種の神器を試しに挙げてみようと思います。

 

(1-1) 国の特定

 ここで使う知識は概ねGeotipsやGeohintsに書かれている内容です。もちろん完璧に覚えている必要はありません。なんならピンポイント特定するときは動き回ってヒントを探すので、知識の欠落に対してはバトルモードやノームーブよりも易しいと言えます。ノームーブ高得点を狙う変態については知りません。

 この段階での初中級向け三種の神器は、特徴的な文字・ドメイン・Googleカーかなと思います。ボラードも効果は高いですが、ちょっと覚えにくいので一度除外。

 特徴的な文字というのは、アルファベットで言うとダイアクリティカルマークがついたö、ő、õなどです。またタイ文字อักษรไทยや、クメール文字អក្ខរក្រមខេមរភាសា(カンボジア)、デーヴァナーガリーदेवनागरी(主にインド・バングラデシュ)といった特有の文字もあります。ピンポイント特定に文字情報はまず必要なので、これらのヒントは動けば必ず目に入ります。この記事を本格的に読んでいる方は頭に入っているかもしれませんが、網羅すると有用です。

 
ハンガリーに特徴的な文字őを含む看板。ブダペストにて

 

 ドメインはURLの国別コードトップレベルドメインのことで、.jpや.uk、.chや.clなどのことです。スイスの.ch、クロアチアの.hr、南アフリカの.zaなど個別に覚えないとどうしようもないものはいくつかありますが、基本的には.cl -> chile -> チリ などと国名と結びついており曖昧でもなんとかなることが多いので挙げました。

 
リトアニアのドメイン.ltを含む看板。シャウレイより

 

 Googleカーは、風景を撮影しているGoogle車のパーツや車自体が映り込むものです。詳しくはGeotipsやGeohintsを参照してほしいですが、これらが特徴的な国は逆にこれらを使わないとかなり難易度が上がる傾向にあります。代表的なのはセネガル、ガーナ、ウガンダ、ルワンダ、ケニア、キルギス、バングラデシュ、ラオス、グアテマラ、ドミニカ共和国ですね。バングラデシュのカメラ第四世代など、一部車が特徴的でなくなった国もあるので注意が必要ですが。この手のメタヒントは"ナマモノ"であり、いつか使えなくなることに注意が必要です。

 
セネガルのGoogle車のパターンの1つ。2022年10月半ばのアップデートから見られるようになったらしい


 ついでにボラードについて説明しますと、道路脇の棒・ガイドのことです。国ごとにある程度違っていて、国とボラードが一対一対応するのもあります。アイスランドの黄色いやつとか、ニュージーランドの白に赤帯のやつとか。ただ、5種類以上の国にまたがるものもザラです。Geohintsのボラードの項目をひたすら眺めて,国固有のものを見つけて覚えるととても強力ですので頑張って探してみてください。全部覚える必要は超上級者にならない限りありません。

 
これは100%アイスランド。アイスランドを舞台にした漫画『北北西に曇と往け』にも1話5コマ目から出てきます

 


(1-2) 州・県を特定する

 個人的にはここが一番難しいと思います。国ごとのヒントは標識など、公共の物が特徴的なので見つけやすいですが、1つの国の中の州や県ではお互いに似通っていることが多いです。 もちろん同じテクが使える例もあって、カナダは州ごとにボラードが違っていたりしますが、大抵は1つの国の中で標識などは似ているところが多いのです。この状況での初中級三種の神器は、道路番号・大きな地名・方角を固定した移動 だとここで提唱してみます。

 

 さて、州や県を特定するのの何が難しいか。県名ってのがあるし地名に頼るか!と言っても、普通神奈川県にいる人は神奈川県にいるとわかっているし、ペンシルバニア州にいる人は自分がペンシルバニア州にいるとわかっています。このせいで、店の住所などでは県・州レベルの表示はされないことも多いです。GeoGuessrを想定して地名や店の住所を書いているわけではないでしょうから。(たまに書いてありますが、ラッキー程度です)

 東南アジアでは県レベルで書いてあることがよくありますが、その場合初・中級者はそのあたりの国の県の名前を知らないため、結局ヒントにならなかったり県の名前だとそもそも気が付かなかったりしますね。しかも例えばフィリピンは81の州、インドネシアは32の州の下位に349県・91市が置かれているなど、ちょっとやそっとで暗記できる量ではありません。

 
店ではないが、インドネシアの西スマトラ州Sijunjung県Muaraで見つけた看板。Sijunjung県なんて普通知らないし、MuaroはおそらくMuaraの表記揺れだがそれに気づくのも困難

 

 そこで使えるのは、やはり道路番号です。上に挙げた東南アジアの一部など道路番号が通用しない国もありますが、ひとまず1つ目の神器は道路番号です。

 道路番号と言っても使い方や表示法は国によって多彩です。もちろんオーソドックスなのは看板に表示してあるものですね。

 
アメリカの道路番号。これは一箇所に多すぎる例として好き(スプリングバレー・
ニューヨーク州)

 道路番号ってことは道路の特定じゃないの?と思うかもしれませんが、スタート地点に道路番号があるケースは必ずしも多くありません。あったらラッキーですが、そうでない場合は移動して道路番号を探すことになります。その場合、スタート地点を当てるというGeoGuessrのルールのため、道路番号はせいぜい集落特定まで使うヒントぐらいの位置付けになるのです。

 で、道路番号が神器な理由は、言語に縛られないからです。アルファベットの地名を探すのもなかなか大変ですし、さらにタイなどはこれがないと(タイ語が読めない場合は)絶望的です。

 
タイの道端に頻繁にあるボラード(キロメートルマーカー)。鹿か鳥みたいなマーク = ガルーダという鳥 の中にある105が道路番号。またこの面の203は始点からの距離。側面には近郊の都市からの距離と、都市の名前がタイ文字で書いてある。タイ文字が読めると超絶有用だが、読めなくても道路番号だけで世界マップなら4500点は取れるスグレモノ


 州当て第二の神器は、大きな地名です。地名って使いにくいんじゃないの?と思われるかもしれませんが、ここでは県名や州名というよりは大きめの都市の名前に着目します。 大きめの都市の利点は、なんと言っても拡大率低めでも表示され探しやすいことです。そして、大きめの都市名は知らなくても、看板に表示されやすいという利点があります。

 例えば、本当にこういう状況になるかはわかりませんが、ラトビアであることだけわかったとして、このように距離と地名だけ書いてある看板を見つけたとしましょう。

  
このような場合、距離の長い40 km先の地名がわざわざ書いてあるということは、GULBENEがラトビア国内ではそこそこ有名な都市であることを示唆しています。そこで拡大率低めでラトビアの地図を見ると、
このように大きめにGulbeneが表示され、一気にそこから40キロ以内にいることがわかるのです。しかも今回は22キロ先のSmilteneも発見でき、距離が1:2となる辺りでさらに細かい集落の名前を探せばいいのです。そこまで都合よく行かなくても、矢印の方角から多少はアタリをつけることもできます。(ただし、道路が曲がりくねって全然違う方角になることもあるので、方角に関してはいいことがあるかも程度です)

 このように、大都市名を知らなくても、そこが有名な都市だと見抜き、マップから探し出せばなんとかなることがあります。もちろん地名を知っているに越したことはありませんが、知らなくてもこれを意識して看板を観察し、そこそこの距離にあるであろう大きな都市を最初に探せばいいということになります。

 州当て三種の神器、3つ目は「方角を固定した移動」です。神器というかテクニックっていう感じですが。
 相当強靭な方向感覚を持っていない限り、適当に移動するとスタート地点がどの方向か、どのくらいの距離かわからなくなります。 自分が物理的に移動しているわけではなく、移動する距離もまちまちなストリートビューではなおさらです。これに対する回答が、方角を自分でなるべく固定して移動することです。なるべく北に、とか、ぶち当たったら必ず西に、とか。もちろんヒントが多そうな方角を最初に選ぶと良いです。また、北へ3分移動してもダメだったら旗ボタンによりスタート地点に戻り、次は南にひたすら行ってみよう、とか自分の中で方角を切り替えることはもちろんできます。
 この方法により自分がどの程度移動したかが多少なりともわかりやすくなり、例えば高速道路の分かれ道なんかの印から「集落を脱出して北に来たらこの分かれ道だから、さかのぼって南にあるこのへんかな」という推測が立てやすくなります。あれ?それじゃ1-3の市町村に当たるテクニックじゃないの?と思うかもしれませんが、もう一つ効果があります。それは、同じ方角に移動すれば幹線道路に遭遇しやすくなるということです。
 幹線道路は道路番号がついていたり、ついてなくても道路の名前と行き先がマップ上で見つけやすかったりするため、地図の上で探しやすいです。そのため、神器1の道路番号、神器2の大きな都市を探す をよりスムーズにすることにつながります。(1-3)の集落特定までいけることもあるテクニックではありますが、(1-2)州や県の特定にも使えます。
 州や県の特定は難しいため神器3つ目は結構無理やりな感じになってしまいましたが、これらが3種の神器です。


 また、神器入りはしないものの、州の名前を掴めるテクニックもあります。州の名前と町の名前が違っていると地図に出ないと思いきや、点線で描かれる州・県の境界線を拡大すると出てきます。 

スペインのバレンシア州とアラゴン州の境界を拡大した例。バレンシア州の州都はバレンシアだが、アラゴン州の州都はサラゴサであり名前と一致しないこともある

慣れているか知っているかしないとそもそも県や州の名前だと認識できませんが、もし見つけられたらこれで試してみてください。


 もちろん、州特有の道路番号標識、市外局番、建築様式、タクシーの車種やナンバープレートなど、州や県を特定するためのヒントはこれまた有志の研究のおかげで大量にあります。しかし覚える量が膨大だし個別の国の話になってしまうので、ここでは神器からは外しました。よろしくお願いいたします。


(1-3) 市町村・区画・集落を特定する

 この段階では集落の入り口にある看板を見よう・大きい道路の角度を見よう・道路番号を見よう という3つの汎用性が高いです。これを3種の神器としてみます。

 特にヨーロッパや多いですが、首都や大都市の圏内でなければ、町や集落の入り口にはこのような看板があることがあります。

 
ポーランドの例。赤線は「ここでこの村の領域終わり」ぐらいの意味で、ヨーロッパではよく見られる。反対車線には赤線なしがあるはず

 
コロンビアの例。この場合Tangua入口というよりは1キロ先だが、似たようなもの。(1-2)の復習だが、「遠くでわざわざ書かれているのは大きな地名」として、Popayanは大きな都市であることが示唆される。実際、拡大率低めでもコロンビアを眺めていればすぐ見つかる。

 

 このような看板を探して、自分がどの集落にいるか、あるいはその近くでスタートしたかを知るのが基本になります。当たり前じゃないか!それで神器かよ!と思うかもしれませんが、この段階に特効薬はそんなにありません(神器2, 3個目はありますが)。ただ、店の名前などの確実性が低いところから頑張って集落の名前を推測して取るよりは、こういう入り口やその付近の道案内の看板を探した方が確実である、とは申し上げておきます。特に英語どころかその他の外国語だと、固有名詞か地名かの区別がかなりつきにくいので。

 なお、集落の脱出には上で書いた「方角を固定した移動」が威力を発揮します。当然1方向に進んだ方が集落を出やすいですからね。

 

 さて、店の名前は確実性が低いと申し上げました。しかし、店の住所はその場所そのものを指しているので、まだ可能性あります。日本ではそのような看板をあまり見ませんがマレーシア、インドネシア、フィリピンなんかでよく使えます。ペルーやインド、バングラデシュでも使った経験はあります。他にもあるかもしれません。

マレーシア、Bandungの例。Jl.はJalanで、マレー語で通り・道。これは広告なのでBandungというまあまあ広い範囲が表示されている


ペルー、Huantaの例。AV.はAvenueの略

これも県までは表示されていないことがほとんどなので、県は自分で特定し、あとは目で探すことになります。しかも住所が、細かいところから書いてあるか大きいところから書いてあるかは国によって若干違います。細かい道の名前が先なことが多いですが、いつもそうというわけではないので、これはもう国ごとに覚えるしかありません。

 しかも店の名前には罠がありまして、慣れてない外国語だと結局固有名詞と地名の区別がつかないことがあります。そういう言語(スペイン語、マレー語、インドネシア語など)に限って全部大文字で書いてあることが多く、英語と違い固有名詞も普通の単語も関係ないんですよね。ということで、この手段は神器入りはしませんでした。それでもインドネシアの300の県の名前を覚えるよりは汎用性が高そうなので、神器入りしないまでも書いてみました。

 
インドネシアの看板の例。Jl.という道の名前の後なのでTERIMA PESANANは 地名かと思いきや「発注書」。一応電話番号と同じ色なので固有名詞じゃないかもと察することは可能ではあるが、焦っていると勘違いしやすい

 

 さて、ここまで「目で地名を探せ」という脳筋思考のことを無理やり神器と呼んできました。ただ、もうちょっとテクニックらしいテクニックがあります。それは、幹線道路を見つけたらその角度に着目することです。これが2つ目の神器です。ブラジルの例を見てみましょう。

 頑張って移動したところ、以下の看板を見つけました。あなたは標識の裏側が黒いこととこの看板から、この場所がブラジル、ゴイアス州だと理解します。しかもGO-239という道路番号まであります。

ブラジル唯一の味方、キロメートルマーカー 
(市外局番も味方になりうるが、覚えるのが大変で手強い)

そして頑張ってGO-239を探し当てますが、かなり長いです。横幅40 kmほど。

 
横幅40 kmだと探索はなかなか骨が折れそうですが、道路の角度を見ることで一気に絞れます。真下を見てコンパスを綺麗に北に向けると、道路の(南北に対する)角度が正確に測れます。
 

このように、Googleストリートビューの角度データはかなり正確です(メルカトル図法であるというのもある)。そのため、真下を見て方角を真北に合わせるテクが非常に役立ちます。この場合北に対して50ºほど東に傾いているため、そういう道路はサン・ジョルジェ集落の前後にしかないことがわかります。これで範囲を1/3以下に絞れます。あとはサン・ジョルジェの東か西かをその辺の看板で確かめたりして、特定が進むわけです。
 これが一番ストリートビューを使ったゲームらしいテクニックだと思います。状況によっては、県を特定する前に道路番号を拾い上げ、この角度で一気に集落レベルまで迫れることもあり得ます。さらに特徴的な交差点の先の角度を測定して絞ったり、ということもできます。地名に頼らないこのテクニックは非常に汎用性が高いです。ガンガン使いましょう。
 ちなみに始めたての方は気づいていないことが多いですが、コンパスの見た目を左下の設定⚙から変えられます。個人的にはNorthなど英単語が脳内で方角に結びついてないのでクラシックコンパスの方が好きです。

 

 また、このGO-239であるとわかることそのものも、区画・集落レベルの特定につながります。これが3つ目の神器、道路番号です。スペイン、ポルトガル、ブラジルは頭文字で州がわかりますし、そうじゃなくても周辺の道路番号を目で追っていけば、ある程度規則がわかることがあります。例えばアメリカは北に行くほどInterstateの道路番号が大きくなったりします。全ての国で規則をすぐ見抜けるわけではなありませんが、規則を覚えてなくても地図を見たら「北の方が番号大きいかな」というのが推測できることもあるため、必ずしも全ての知識をすぐにつける必要はありません。もちろん知識はあった方がいいですが、初心者中級者はその場で仕入れるのもありです。汎用性も高いので、ぜひ使いましょう。

 アメリカのピッツバーグ周辺。南に68, 真ん中には70と76であることから北に行くほど番号が大きいかも?と推測できる。実際それはだいたいあっている

 なお、道路番号規則を部分的にでもその場で見抜くのはほぼ無理なフランスや、フランスほどではないにせよ日本も少し知識がないと見つけにくいです。その辺りは柔軟にお願いいたします。



(1-4) 道路を特定する

 さあ、最終の詰め段階です。ここでは通りの名前を見よう・道路の角度を見よう・交差点の形を見よう という3つの着目ポイントをお送りします。これまた神器と呼ぶのがなんか恥ずかしいものもありますが、この3つを神器とします。

 このゲームを続けている方は海外に馴染みがある方も多いでしょうから知っている方も多いでしょうが、改めて説明します。海外では住所として、通りの名前がよく使われます。細かい通り1つ1つに名前がついていることが多いです。

チェコ・プラハのごちゃごちゃした一角を拡大したが、道路に1つ1つ名前がついている

 その通りの何番目の建物か、によって住所が表記されます。

建物に書いてあったり電柱に書いてあったり色々ですが、こんな感じで表記されますので、ここからスタート地点を探すのが基本になることが多いです。

 全てに通りの名前がついてない国の場合、最後の詰めまではこれは使えません。代表は日本ですね。それでも、大抵の国では使えるため、通りの名前を探すというテクニックと呼ぶか微妙なものが神器となります。よろしくお願いたします。


 2番目の神器は、この道路の特定に対しても角度を使うという方法です。上でも似た説明をしましたが、改めてスペインを例に説明します。

 このような表記があれば、ほぼ勝ち確です。CM, GUがある区画を探す、あるいは頭文字と道路番号を覚えている方、地名を覚えている方なら、カスティーリャ地方グアダラハラの付近だとわかります。そして角度を頼りに地図から探すことができます。

この写真が特定した様子です。道路のセンターラインが左に映っていますがその角度が一致、さらに写真ではわかりませんがラウンドアバウトの前ですね。このような条件に合う位置が、方角と角度によって素早く決まるのです。角度を使う手法の威力がわかっていただければ幸いです。


 

 さて3番目の神器は、交差点の形です。通りの名前をちまちま探すのが大変な時は、交差点の形が特徴的な場合というのを探せます。言語に頼らないのもあり、たいていの場面で有用です。

 普通の十字路ならともかく、こんな感じでT字路の先がすぐ曲がっているとか、微妙な角度で接続されているとかの時はチャンスです。

 

こんな感じでコンパスを真北に向ければ道路の角度の一致がわかります。

また、これは実際に動かしていただかないとわかりにくいですが、T字路の先の道路の角度のイメージもわかりやすくなる、気がします。このようなちょっとした特徴でも特定が進むため、五叉路などのさらに特徴的な部分は言わずもがな、です。

 通りの名前がなく目の前にお店などがない場合、これが最終手段としてよく通用します。なんならお店の名前を短期記憶でも覚えるのは大変なので、 最近の私は角度を先に確かめてからお店などの名前で裏を取っています。そのくらい使いやすく、文字に頼らないテクニックなのです。

 

 ということで、最終の詰め段階に関する比較的汎用性のあるテクニックも紹介しました。がんばりましょう。

 

2. ピンポイント特定の楽しさ

 このように特定するピンポイント特定ですが、最近Rainbolt御大の記事Wiredの動画が話題になったように、パパっと当てた方が楽しいしカッコ良くない?という意見があるかもしれません。私もノームーブ縛りや20秒縛りなどは実際好きです。ただ、かっこよさはともかく、じっくりピンポイント特定する方にもまた別の楽しさがあります。素早く当てる場合(ここでは略して高速場所当てって呼びます)と、じっくりピンポイントを狙う場合(略してじっくり場所当てって呼びます)では以下の違いがあると思います。

・高速場所当て: 直感を信じることもあり / じっくり場所当て: ロジックを組み立てる
・高速場所当て: 十分かつ反応が早い知識がないと当たらない / じっくり場所当て: うろ覚えを組み合わせた推定も可能

 要するに高速場所当ては上級者向け、じっくり場所当ては初中級者向け(もちろん上級者にも奥が深い)っていう当たり前のことですが、それを分解すると上のようになります。
 で、直感かロジックか、というのが楽しさの違いにあたります。Rainbolt御大ほどの達人の場合、写真一枚でも長大な解説ができることから推察するに、直感だけでなくロジックを超高速で組み立ている場合もあるでしょう。しかし我々初心者中級者が無理やり高速場所当てをする場合は基本的に直感に頼らざるを得ません。それはそれで楽しいのですが、ロジックを組み立てるじっくり場所当てには、パズルゲームや論理ゲームのような楽しさがあります。時間をかけてでも当てられたとき、思考の楽しさが味わえます。
 じっくり当てる場合、知識に穴があってもなんとかなることがあるのも個人的に楽しい要素です。動かずや高速で当てる場合、ボラード一本忘れただけで点数が下がったり、バトルの場合はそれだけで勝負が決まってしまいます。一方、動き回ってじっくり探す場合、あいまいな知識でもそれを組み合わせることで自分のなかで答えの確率を上げたり、他の知識から「あ、これはここのボラードだったな」と学習・復習できるというのもあります。そのため、見た目に反して初級~中級者向けの遊び方だと思います。苦労して当てた場所のほうが風景とか覚えやすいですし。
 とはいっても、初心者の場合当てるためのロジックの立て方がわからないため世界マップはハードルが高くなるかもしれません。それは当たり前のことです。探偵でもない限り普通は場所当てなんてしませんからね。そこでこの記事を書いて、手順にてロジックのテンプレートを用意したわけです。これを使いつつ練習すれば、間違いなく上達します。より具体的な練習の方法は人により向き不向きがあるでしょうが、以下に自分が良さそうだなーと思った例を紹介します。


3. 練習法

 ここで書くのはピンポイント特定をあまりしたことない初心者向けの練習法なので、例えばアメリカの州ごとの違いを覚えて素早く当てる練習の段階だ!という方に向けた練習法ではありません。よろしくお願いします。

おすすめマップ: いきなり公式の世界マップ、ADW、ACWに挑むのはあまり勧めません。難しすぎるからです。基本的には初心者向け講座でおすすめしたマップをガチる、というのが良いと思います。
 

A Pinpointable World (田舎も出るが、比較的簡単なピンポイント特定可能マップ)  << 特におすすめ。そこそこ難しいところが出ることもありますが

CityGuessr (街-必然的にヒントが多い-が出るマップ)

An Urban World (これも都市にでて、かつ調整されているマップ)

Urbanguessr (上とほぼ同じ、候補地点がより多い) 
 
 これらのマップは繰り返しのプレイにも耐えられるよう、数千箇所が候補として選ばれているマップなので基本的に覚えゲーは通用しません。覚えられるほどプレイしたならもうADWでいいと思います。ということでぜひガチってみてください。
 また、あまり時間をかけても飽きやすいので、自分でタイマーを使ったりして10-15分経って絶望的なら次に行くとかそうすると良いと思います。ジオゲッサー側で10分制限をかけることもできますが、こうするとせっかく10分でなんとか王手をかけたのに強制終了させられた、とかでモヤることがあります。そう、一番上の私の記録のことです。


練習法: 上に書いた国→州→集落→道路というテンプレートに従って、例えば1ヶ所10分制限ぐらいでおすすめしたマップをプレイし、気になったことをメモしたり、知らなかった知識を復習したりしてみてください。知らないボラードが出てきたからノートにメモる、とか、看板に書いてあった名前が思ったより大きな都市なのに知らなかったからノートにメモる、とか。結局のところ、そういう地味な作業で段々身についてくると思います。
一応、費用対効果が高いものとしては
  • ボラード
  • 言語の違い
  • Googleカー
  • ドメイン
  • 道路ラインが黄色いパターン
  • ナンバープレートが黄色いパターン
  • 左右通行
  • カメラの世代(主に第二)
 をひとまず挙げておきます。完璧じゃないにせよこの辺から覚えていきましょう。


 以上、ピンポイント特定について書いてみました。上位勢がよくやるようなノームーブで2万点とるより、20分ぐらいかければ案外、上で紹介したマップでテンプレートに従えば難易度が下がることもあると思うので試してみてください。

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